ストレスとは

 

 

ストレスとは

ストレッサーと呼ばれる職場や家庭での人間関係、長時間労働や過重な責任の発生などの外からの刺激とそれによって引き起こされた不安やイライラ感、抑うつ気分、疲労感、食欲不振、胃痛、下痢、不眠などの身体症状、飲酒量喫煙量の増加などの行動変化ストレス反応と呼びます。これを総合的に総称してストレスと呼びます。

ストレッサー(外部刺激)+ストレス反応(行動変化)=ストレス

 

負担を引き起こすストレッサーに直面した場合、その経験に基づき困難性や苦痛のの程度を脳の中の大脳皮質が評価をし大脳辺緑系に伝達され様々な感情を引き起こすとともにストレス反応を軽減するための行動(ストレスコーピング)を引き起こします。

 

大脳辺縁系神経細胞が刺激されると感情は生じますが、その刺激は視床下部に伝えられ自律神経系内分泌系免疫系の反応(ストレス反応)を引き起こします。

自律神経系反応

自律神経系には交感神経と副交感神経があり身体諸器官はこの両者の支配を受けています。生命の危機などの強いストレッサーに直面すると、交感神経系が優位となりアドレナリンが血中に放出されます。アドレナリンが分泌すると血圧や心拍数の増加、血中凝固の促進、中核神経覚醒作用などの作用があり、高血圧や狭心症心筋梗塞不整脈脳卒中などの原因となります。また中枢神経系を興奮させるため不眠症の原因になるます。

一方、副交感神経系の働きは交感神経とは逆に睡眠や休息時、食後などのエネルギー補給の才に優位となります。副交感神経系は消火器の機能も調整しており、胃潰瘍や下痢、腹痛、便通異常を特徴とする過敏性腸症候群などの発生に関係しています。

 

内分泌系反応

内分泌系の中枢である視床下部神経細胞が活性化されると脳下垂体、副賢皮質系を刺激するホルモン類が産生されます。

これらホルモン類には糖の産生の促進、胃酸分泌の促進、免疫能の抑制作用などがあります。したがって糖尿病や胃・十二指腸潰瘍の発症の促進し、感性症にかかりやくなります。またこれらのホルモンのアドレナリンは強いストレス状態のときや不安を感じる状態で分泌され自律神経を刺激します。

免疫系反応

免疫系は感染、癌の発生に関与しています。仕事や試験などで過労や睡眠不足、心理的葛藤などのストレス状態が長く続いたときなどにヘルペスや慢性偏桃炎、虫歯にともなう歯周炎など通常は免疫で抑えられている病気が増悪したりすることが観察されてます。またストレス反応時に分泌されたホルモンの一部が免疫反応を担うリンパ球やナチュラルキラー(NK)細胞の動きを抑えることにより癌の成長が促進されるいう報告もあります。

 

内分泌系・自律神経系・免疫系は互いに協働して生命を守り通常の身体行動や生命維持のための機構ですが、急性のストレス、持続的な慢性ストレス状態では内分泌系、自律神経系の機能が亢進した状態になり免疫系が抑制され身体のバランスが保てなくなり、先に述べたような病気が発生します。

これらがいわいるストレス病と呼ばれるものです。